ハチドリのひとしずく#13_学校行事の立役者
こんにちは。
関西創価中学校教頭の上原桂です。
今日は「最高の生徒たちです!」と叫びたい気持ちをおさえきれずに、noteを書くことにしました。
みなさんは運動会は好きでしたか?
運動が苦手で、走るのも遅かったわたしは(人生で、逆上がりができたこともありません。)小学校の頃から運動会が大嫌いで、「運動会なんてなくなればいいのに」とさえ思っていました。
そんな私は、今でも走るのはきらいです。ですが、運動会、本校では「情熱の日記念競技大会」と呼んでいますが、その競技大会はとても楽しみな行事になっています。
生徒たちが競技をしている姿はいうまでもありませんが、毎年「いいなぁ」と顔がほころんでしまうのは、裏方として役員をしている生徒たちの姿です。本校では、招集誘導部門、用具部門、審判部門、GS部門(グラウンドを整備する担当)、STK部門(集計得点結果発表を担当)、アナウンス部門、音響部門、救護部門と多くの部門があり、それぞれ希望する部門に所属し、生徒たち主体で競技大会の運営をしています。
それぞれの部門の活動内容は、先輩から後輩に受けつがれていきます。そして、役員リハーサルのときには、不安そうに動いている1年生も、本番では先輩たちにまじって、とても凛々しく動きまわっています。
特に、3年生の学年種目のときは、慣れない1、2年生だけで役員をすることになります。リハーサルでは、持ち場についておらず、「〇〇さん、△△さん、担当です」とアナウンスされている場面もありましたが、そんな場面も含めて、生徒たちが自分たちで行事を運営していることが貴重な時間だと感じます。
先輩としての後輩を見守る心配そうな顔、一人で持ち場を守るたくましい顔、満面の笑みでグラウンド整備をしている姿、かげで黙々と作業する姿。
授業中に見る顔とはちょっと違って、あぁ、こんな顔をするんだな、と思うことがしばしばあります。(もう見ている間中、愛おしすぎて顔がほころんでしまうのをとめることができません。)
ともすれば「そうするよりもこうした方がうまくいくよ」「こっちのほうが早くできるよ」と、大人は「よかれと思って」アドバイスをしそうになってしまいます。
ですが、大人に言われて、小さな失敗を回避するよりも(そもそも多少、うまくいかなくてもそれは「失敗」ではないですし)、大人に言われて作業時間が短くなることよりも、少しくらい段取りがうまくいかなくても、多少時間がかかっても、生徒たちが自分で試行錯誤し、気づいたことの方が、より大きな力になり、未来の財産になることは間違いありません。まさに植松努さんがTEDで語られていた「教育とは死にいたらない失敗を安全に経験させるためのもの」という言葉を形にできるかが大人の仕事だなと思います。
「こんなときどうしたらいいですか?」「こうした方がいいと思うんだけど、どう思いますか?」そんな声が生徒たちから聞こえてくるまで、待つことができるかどうか。行事を通して、あらためて生徒たちの可能性の大きさと、「信じて任せる」ことの大切さを再確認しています。